短期間で急成長しているのはなぜか?お話伺ってみました
フリーカメラマン・写真家の 矢野拓実 さん。大学卒業後、IT系の会社を半年ほどで辞めて、現在、フリーランス生活11ヶ月目。
矢野くんツイッター(photo by @makocame) より
会社を辞めるちょっと前に会ったときには、実際辞めるの怖いですよなどと話してる普通の社会人1年目の子でした。が、辞めてその後は海外に撮影に行ったり経営者や大手企業の写真も多数撮ったりと、一気にステージを上げてきました。
旅のいいところって、
— takumi YANO/矢野 拓実 (@takumiYANO_) 2017年10月5日
自然と日本と外国の違いを探すところだったり、あの外国人はなんの仕事してるのかなあと妄想したりするところだろうなあ。 pic.twitter.com/Wdz3RAcBlN
短期間にしてこれだけステージを上げているのはどうしてなのか?お話を聞いていて、マーケティング力があって人に関心を持ってもらえる見せ方をしているから、引っ張り上げてもらえるご縁が自ずとやってくるのかな、なんて思いました。
生まれた環境で左右されるのは悔しい
はる:矢野くんの自己紹介読んで(こちら)、負けず嫌いやなって思ったんだよね。サッカーのこととか、高校の修学旅行は三択だったけど、私立の進学校で裕福な人が多いから、大半の人が何十万もする海外を選んでて悔しい想いをしたこととか。
矢野: 僕、勝てない勝負は逃げる派ですよ。でも生い立ちとかに関してはすごい悔しかったです。
はる:修学旅行のことが悔しくて世界に出たいと思うようになって、大学のときに海外に留学に行ったって書いてたけど…経済学部だったし、経済の研修?
矢野:そうです。例えばパリで学んだのは、ルイ・ヴィトンやシャネルがどうやって海外へ進出したのかとかいうことでした。
はる: おもしろそう!
矢野:そこで勉強して興味を持って、広告とかCMとか、そういった分野で戦いたいなと思ったんです。
はる:海外の研修行くときってけっこうお金かかったよねぇ?
矢野:結構な数のバイトをしました。パリに行く前はバイト四股してました。百円ショップとか塾とか…百円が1点、2点、3点…
はる:セリフが体に染みついちゃってる(笑)努力が偉いなぁ。
矢野:4年生のときにはインターンしていましたし、そのときのことが経験になったというのはありますね。今まで働いていた経験で無駄だったことは案外なかったのかも知れません。
撮影の依頼が来るほどInstagramで成功している理由
はる:カメラをやっている人には多い悩みかも知れないんだけど、人を撮りたいけど撮る人がいないから撮れないっていう声を聞いたんだよね。矢野くんはインスタは女性の人物撮影がメインで今では事務所のモデルさんのような人からも依頼を受けてるけど、そもそもそういう人とどうやって繋がったの?
矢野:今は仲のいいヘアメイクさんからというのもありますけど…まず入口としては、こちらから連絡とるか、連絡が来るかですよね。
はる:連絡が来るなら来るなりのクオリティとか見せ方が必要だろうね。
矢野:まずはクオリティは前提として大切です。InstagramというSNSでも、カメラマンという特性上、ポートフォリオの機能をも持たせたいと僕は思っています。最初は風景も載せていました。
はる:矢野くんのインスタの当初の写真を見たら海外旅行のときの写真とかもあるしね。
矢野:その後はそういうものを一切なくし、人物の撮影をし載せる、ということをやっていきました。短期的な目標で雑誌のカメラマン、中期的な目標として広告カメラマンをやりたいという思いがあるので、今は宣材写真や広告を意識した写真を撮影し、実績として載せています。
女性の撮影がメインの方向性になりつつある頃、写真のモデルは知人に協力してもらっての撮影。モデルさんは私も知ってる子で普通にしててもめちゃくちゃ美人さんですが…衣装やメイクもつけての撮影です。
はる:実際に仕事として撮るようになる前の段階から、この先やりたいことを意識してこれだけ力を入れて撮影しているからこそ人の目に留まるんだろうなぁ。
矢野:去年の終わり頃に、あるモデルを心ざす男性からお声がけいただきました。カメラマンとして頑張りたい、モデルとして頑張りたいというお互いのベクトルが一致して作品撮りをやりはじめました。それから、また別の方からも撮っていただけませんかというように連絡がくるようになりました。
はる:そうやっていく中で反応や自分自身の手ごたえからターゲットを女性に絞っていたんだろうね。
矢野:今でも男性も撮ってはいるのですが、インスタにはあげてないんです。
カメラはほぼ独学。クオリティが高い理由を聞くと「小さな頃からやってるからですかねぇ…?」と。主催するカメラ講座のときの同様な質問には、憧れの写真家を見つけること、とも。過去、スターバックス奥沢2丁目店にてカメラ講座や写真の展示をしています。
企業の写真撮影をするようになった経緯
矢野くんと私は、Facebookのコミュニティ繋がり(オンラインサロン: Wonderland)なのですが。
Wonderland主催の1人、フリーランサーの 安藤美冬(右)さんと。左は私。矢野くん撮影。(Photo by takumi YANO)
はる:フリーランスの人が、例えば知り合いやコミュニティの繋がりの人から写真撮影の依頼を受けるっていうのは私としては想像しやすいんだけど、でも大手企業さんと繋がるって私の中ではイメージしにくくて。矢野くんはどうやって企業さんのお仕事もするようになったの?
矢野:企業様の1つは、Wonderlandの方からですよ。
はる:え、そーだったの!?
矢野:Wonderlandはこれから起業していきたいって人が多いから、その人たちのプロフィール写真撮影の話もありますし。
出典:白木夏子オフィシャルサイト (Photo by takumi YANO)
もう1人の主催者、ジュエリーブランドHASUNA創業者の白木夏子さんや、安藤美冬さんのプロフィール写真も矢野くんが撮影したものです。
矢野:もう一つの企業様は、偶然にも僕の友人がインターンをしている会社でした。その友人のフィードからカメラマンの募集が流れてきて、いま勢いのある会社だし、このお仕事を通じてたくさんの企業様を訪問できるのは大きいと感じました。
はる:そうなんだ。じゃあ別に個人だからとか企業だからとかいうわけではなく、個人と同じようにご縁があるところと繋がっていったっていう感じなのかな。
矢野:そうですね。そして実際、求人の企業様だったので50社ほど撮影させていただきました。カメラマンを探してるというお話があったら、僕がどのような写真を企業様と撮影しているか、お見せすることができるんです。
はる:そうやって次に繋がるのも、大前提として矢野くんの写真が綺麗だからこそなんだろうね。
すぐにカメラが買えなかった、かつての自分のような人に知ってほしい
はる:矢野くんのSNSとかブログとか見てたら、自分がフリーでやってるからこそ人に伝えていきたい、諦めて欲しくないっていうようなメッセージが多いなと感じてるんだけど、そう言ってる理由ってあるのかな。
矢野:大学のとき、8万くらいのカメラ買うためにバイト100時間やりました。すぐ手に入るような環境にいる人であればすぐに撮影ができるんです。この時間すごい悔しくないですか。でも方法は山ほどあるということを昔の僕は知りませんでした。そういう人達に知ってもらいたいし、背中を押せたらいいなというのがあります。
はる:やり方次第で個人も活躍できる時代になってきてるしね。
矢野:それと何だろな…世の中に意味があるものを作りたいです。
はる:おおー!
矢野:問題に感じていることなのですが、制作する側がお金をかけるところにはかけているにも関わらず恩恵のあずからないところもあって、大きなアンバランスがあるんです。そういう状態を悔しく思いますし、僕はエコノミーの人間だし、どうにか解決できないかなというのは最近考えています。
はる:今は活躍している人が売れない頃はノーギャラで仕事やってましたなんて話も聞いたことがあるしなぁ。今後やりたいこととかある?
矢野:最終的には、パリやニューヨーク、東京といった環境で、一流の写真や動画を制作できるようになりたいです。それまでに短期的には雑誌やWEBでもっと使ってもらって、中期的に企業様の広告を担当して、お役立ちしたい。仕事以外でも、海外での作品撮り、モデル様との作品撮りを通して、全体のクオリティを上げ続けていきたいです。
はる:これからますます活躍の場を広げていくんだろうなぁ。矢野くん自身が高いビジョンを持ってて、そして達成するための戦略とクオリティがあるからこその今の実績なんだろうなと思いました。ありがとうございました!!
矢野くん自己紹介
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