元々はテレビ局のディレクターとしてバリバリ活躍
沖縄と東京で二拠点生活をしている、明星 雅也(みょうじょうまさや)さん(こんちゃん)にお話聞きました!
大学卒業後、テレビ局のADとなり、その後ディレクターに。地上波のゴールデンタイムの番組などを担当していました。デザイン事務所などでも働いたのちにフリーに。結婚後沖縄に移住し、沖縄で観光地の撮影などをしながら東京ではイベントやCM撮影などの仕事をしています。2016年、VittoMovie(ヴィットムービー)設立。
写真撮影:今井 雅文
右がこんちゃん、左が私。シーサーのポーズ。こんちゃんは旧姓が近藤さんです。
沖縄に行ったときは人脈も仕事もゼロ!
はる:こんちゃんって、奥さんが元々沖縄の人?
こん:ううん。違うよ。
はる:え!奥さんが沖縄の人だから沖縄に行ったのかと…
こん:いや沖縄に行った理由が、結婚して始めは東京に住んでて、そこを引っ越そうってなったのね。でも俺が仕事の関係でいいなと思う場所と、奥さんが好きな街が違ってあまりに意見が合わなくて。海外はどうって言ったらそれも嫌だとなり、じゃあ沖縄かなーってなった。海外っぽいでしょ、沖縄。
はる:そんな理由だったんだ(笑)
こん:あとは俺がロケで全国行ってて、色々見る中で沖縄が好きだったから。
はる:沖縄で一から人脈を作るって大変じゃなかった?
こん:大変だった。人脈作るのに1年くらいかかるよって沖縄の人に言われたし、行った直後は仕事なくてびっくりした。ほぼ東京でしか仕事してなかったよ。
はる:沖縄で確かドローンやってたよね?
こん:沖縄では重要だよ。だって海を撮らなきゃいけない。
はる:ドローンは沖縄に行ってから始めたの?
こん:ドローンの会社に全部電話したよ。それで繋がった方がいて、練習で飛ばすときに一緒に参加させてもらったりしてる。
はる:電話すごいなぁ!じゃあ今やってる仕事は、元々やっていた仕事とは違うものが多い?
こん:違うね。でも別の会社に移ったりしたテレビ局時代の同期や友達からの仕事はあるし、ご縁のあった人からの仕事が多い。あとはホームページからの問い合わせ。沖縄って制作会社少ないし、問い合わせで1番多いのはVRだね。
VR:バーチャルリアリティ(物理的には存在しないものを感覚的には本物と同等の本質を感じさせる技術※1)。こちら、こんちゃんが手掛けているVRの動画となります。海のドライブ風景も。
画面を指でなぞったり傾けたりすると上下左右全方向の映像を見ることができます。
★スマホだとVRの映像にならない場合も…そのときはこちらをクリック。YouTubeアプリへ移動します。
フリーだけど仕事は途絶えない
はる:沖縄って観光の仕事が多い?
こん:そうだね。そして県の仕事がすごく多い。今日の打ち合わせは、海外のスーパーの売り場で流す、沖縄県産の食材の映像を作るっていう案件。案件が大きくなってきて個人レベルじゃなくなってきちゃって、法人化しないとできない感じになってきてる。
はる:例えばライターで月に1回の連載がある人は定期的な仕事だから比較的安定する、っていう話も聞くんだけど、こんちゃんはそういうのはあるの?
こん:コンスタントにやってるっていう仕事はないね。お世話になっている会社が複数あって、会社としても営業しているし次の仕事も依頼していただいている、っていう流れ。
はる:ここにこだわっている、とかいうのは?
こん:例えば化粧品のCMを作りたいってなったら、代理店さんは綺麗な映像はもちろんだけど、化粧品を買いたくなる映像を作りたいわけ。そういう代理店さんが気にしていること、どうしたいかっていう相談から聞くから、またお願いしようってなるのかな。話がしやすいから。
はる:映像だけじゃなくて企画の段階からも話ができるんだね。
こん:テレビの業界にいて大きな仕事はこういう構成でチームが動いているっていうのが分かるようになったし、その基準が最初にできたのは良かったよね。全体が見れる。ディレクターだけどカメラもできる。何でも屋だし。写真も映像も編集も、ドローンもVRもできる。
はる:沖縄のPRしてくださいってなったら、イメージを聞いて、そしたらVRはどうですかとか提案ができるしね。
こん:写真作りたい、映像も作りたい、あ、じゃあこれもって合わせてお願いされることが多い。大きな広告代理店が強い理由ってそこなんじゃないかな。この会社に任せていたらどうにかなるって。
はる:マスコミ系って就職の倍率高いけど、大学もカメラ関係だったっけ?
こん:建築だったんだけど勉強しだしたら違って、何やりたいんだろうってなって、そのときの趣味が写真だった。大学のサークルの送別会で、写真を撮ってスライドショーみたいなものを作ったら、卒業する先輩方が泣きながら喜んでくれたから、めっちゃいいやんって思って。
はる:いい話だー。
こん:それでやってみないと分からないっていうタチだから映像制作の会社でアルバイトしてて、就活のときの面接では実際にやってるって話してたからね。テレビの世界に入ったのは、大きな仕事がしたかったらから。最近は企業関連とかCMとかの仕事が増えてきたけど、そういう仕事の方が俺は好きだね。
写真撮影:今井雅文
「明星って、中国語でスーパースターって意味なんだって!」嬉しそうに話してくれました。小さい子が、僕、仮面ライダーなんだよって話すみたいに。いつまでもそんな無邪気なこんちゃんでいて欲しい(笑)
自己メディアも立ち上げるほど、VRの魅力にとりつかれる
はる:VRにそれほど詳しくないけど…VRって話題になったのって最近だよね?ゲームで話題になった記憶があって。
こん:VRの時代みたいに言われるようになったのは去年かな。
はる:VRをやるようになったきっかけは?
こん:1年前の夏、東北六大祭りをまわってVRで撮影したんだけど、俺がVRを始めたのはその仕事が最初。東京のイベント会場で、その映像を見たらお祭りに行ったような体感ができるっていうものだったんだけど、今までの映像とは全然違うね。感覚が。
はる:こんちゃんが感じてるVRの魅力ってどんなところ?
こん:リアルじゃない?嘘がつけない。
はる:こんちゃんピュアだなぁ。
こん:VRは加工できない。肌を綺麗にするとか多少はできるかも知れないけど、今、この空間は嘘をつくことができない。っていう嘘をつけない空間が、俺はすごいなって思うね。
はる:じゃあ初めてやったあとに、もっと深くやっていきたいと思って色々研究した?
こん:研究した。でもVRをやってるって人って少なくて、どういう機材が必要だとか相談したくても誰もいないのよ。 だからホームページから問い合わせが来るんだと思う。やってる人がそんなにいないから。
はる:VRのコンテンツも作ってるけど、どういう経緯でやるようになったの?
『pajama女子』~男性には癒し空間を、女性にはフォトジェニック空間を~
2017年9月にリリース。こんちゃんと、一緒にやっているイベントカメラマンさんとで企画して制作しています。
こん:グラフィックとかゲーム系のVRはいっぱいあるけど、リアルなVRってほとんどないのね。あんまり魅せる機会がないし、何か発信できるものが欲しいっていうのが俺の考え。
はる:VRやりたい、っていうのがまず最初だったんだね。
こん:もう1人のカメラマンと、一緒に何かやったらおもしろそうだねって話になって色々練って、彼は仕事の関係で女の子の知り合いが多いし、俺は空間を撮りたいから、じゃあ女の子のお部屋いいんじゃないの、パジャマはどうってなったんだけど。
インスタグラムで写真も投稿されています。
はる:ゴーグルの装着をオススメしますって書いてたから、スマートフォンのVR用のゴーグルもつけて見てみたんだけど。
こん:あ、つけてみたんだ。どうだった?
はる:正直な感想を言うと、普通の動画よりお姉さんが近すぎて。
こん:そう(笑)でもそういう体験ができるものだし、それで正解かな。
はる:かなりドキドキした(笑)
こん:モデルの子は全員素人だし、リアルに現場では会話してるから。本人以外の声はあとからカットしてるけど、実際にこういうふうに話しているのかなとか、この空間いいなとか、そういうところを見てもらえたらいいね。
はる:これまでやっている仕事でも十分活躍しているのに、自分達でメディアを作ろうって思ったのはどうして?
こん:趣味のカメラで自分が好きなものを撮ってて、それが仕事になって、仕事になるとこれを撮ってくださいってなって、それも楽しいんだけど、たまには自分で表現したいなというときがあるよね。
はる:じゃあpajama女子の方は、趣味に近い感覚でやってるって感じ?
こん:後々を言えば人を繋げていく場にしていきたいね。この前の企業の撮影でナレーションが欲しいって話になって、pajama女子の中に元々アナウンサーの勉強をしてた子がいたからその子にナレーションしてもらったんだよね。タレントやモデルが必要ってなれば、うちにいますよって。
はる:そういうふうに繋がるのはやっててすごく嬉しいよね。
こん:実際の現場では俺ももう楽しんでるかも知れない。撮影は数人集まってやってるんだけど、みんなでわいわいしながらやってるね。すごく楽しいよ。
はる:求められている仕事をしながら成長していく一方で、楽しめるものも作っていくこんちゃんみたいな生き方、いいなって思いました。ありがとうございました!
映像制作会社「VittoMovie」
※1 引用元
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